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AR


Augmented Reality。 
拡張現実といいます。
ヘタに説明するよりも、
「ポケモンGO」の技術と言ったほうが早いかも。



スマホのカメラを通して見る実際の風景の中に、
CGのポケモンが見えた時はビックリ仰天しました。
今ではテーマパークや博物館をはじめ、
広告ビジネスや医療現場でもARが活用されています。



大手メーカーが採用した、家具配置AR。
目当ての家具を自分の部屋に仮置きした情景が表示されます。
不動産チラシに掲載されたQRコードを読み込むと、
モデルルームに行かなくても、CG画像で体験的に見学できます。



水族館の水槽を悠然と泳ぐ魚にスマホを向けると、
魚の名前や特徴が表示される、ARお魚図鑑。
医学生さんたちが手術実習に使うのは、AR人体模型。
製造の現場でも技能習得にARが活躍しています。



拡張現実は手軽に疑似体験ができます。
ただ、精巧過ぎると現実と仮想の境界が解らなくなりそう。
そういう小説に出会いました。
現実をベースに仮想の世界が拡張していく物語です。



万城目学さん「バベル九朔」



~俺は5階建てテナントビルの管理業務をしている。
ビルは祖父が建てたもので、母が相続した後、
俺が住込みの管理人になった。



管理人の仕事は何かと忙しい。
蛍光管を変えたり、掃除したり、鼠駆除の薬を撒いたり。
消防点検の際の立ち合いも仕事のうち。



でも俺は一生、管理人を続けるつもりはない。
夢は作家になること。
仕事の合間にせっせと小説を書いている。



新人賞に応募しているが、ことごとく一次審査落ち。
短編はダメだ。長編小説向きだと自分でも思う。
そこで、3年かけて長大作品を書き上げた。



タイトルを付けて送り出すだけという時、
不可解な出来事に俺は巻き込まれた。
予兆はあった。あのカラス、そして謎の女。



有りえないことに、
ビルが勝手に伸びてしまったのだ。
登っても登っても最上階の俺の部屋に辿り着けない。



早く部屋へ戻らなくては。
原稿にタイトルを付けて郵送しなくては。
締め切りは今日。時間がない。~



「ホルモー」や「鹿男」や「プリ・トヨ」同様、
最初はごく普通の現実世界。
気が付くと妙な世界へ紛れ込んでいるという万城目ワールド。
今回もたっぷり堪能させていただきました。



展開は楽しめましたが、最後が少し悲しかったかも。
前々作の「とっぴんぱらりの風太郎」も、
因果応報的な結末になり、ため息が出たのを覚えています。
現実も仮想も、本質はシビアな世界ということでしょうか?



ふと思ったのですが、
祖父は満男、母は三津子、主人公は満大(みつひろ)ってことは、
この方たち、サンズイの民族なのでしょうか?
先祖代々の怪しげな力でバベルの巨塔を作ってしまったのかも。

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Calender